なぜ雪洞を「ぼんぼり」と読む?意外すぎる語源の真相と提灯との違いを解説

なぜ雪洞を「ぼんぼり」と読む?意外すぎる語源の真相と提灯との違いを解説とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

日本の春を象徴する国民的童謡『うれしいひなまつり』(1936年発表、作詞:サトウハチロー、作曲:河村光陽)。この歌の出だしにある「あかりをつけましょ ぼんぼりに / お花をあげましょ 桃の花」というリフレインは、日本人なら誰もが口ずさめる名フレーズです。しかし、この歌には歴史的な事実誤認と、それに苦悩し続けた作詞家の悲劇的な逸話が存在することをご存知でしょうか。

昭和から令和に至るまで、テレビの特別番組や民俗学の検証記事でも度々取り上げられてきた有名な誤謬が、歌詞の中盤に登場する以下の2点です。

  • 「お内裏様と お姫様」の誤用:本来「内裏(だいり)」とは天皇の御所を指し、雛人形でいう「内裏雛(だいりびな)」は最上段に並ぶ男雛と女雛の「一対(ふたり揃って)」を指す言葉です。したがって、男雛だけを指して「お内裏様」と呼び、女雛を「お姫様」と分けるのは用語として二重の誤りとなります。
  • 「赤いお顔の 右大臣」の逆転:雛段の随身(ずいしん)において、白髪・白髭を蓄え、酒を飲んで顔を赤らめていると伝承されるのは向かって右側の「左大臣(年配の高官)」です。向かって左側に座る若武者の「右大臣」は色白の青年として作られるのが伝統であり、歌詞と実際の雛人形の容貌が完全に逆転してしまっています。

この事実について、作詞を手掛けた昭和を代表する詩人・サトウハチロー氏は、晩年に至るまで深い自責の念を抱いていたことで知られています。当時の記録や関係者の証言によると、自身が雛人形の有職故実(ゆうそくこじつ)を誤解したまま発表し、それが童謡として全国の学校や幼稚園に瞬く間に普及してしまったことに対し、「日本の伝統文化を誤って伝えてしまった」と生涯悔やんでいました。

実際、サトウハチロー氏は後年、この曲のレコードや出版物から生じる印税の受け取りを辞退しようとしたり、自宅のリビングではひな祭りの時期になっても決してこの曲を流させず、雛人形を飾ることすら避けていたという痛切なエピソードが遺族の手記などで明かされています。美しく無邪気なメロディの裏側には、表現者としての誠実さと、一度世に出た文化が一人歩きしてしまうことへの重い責任感が刻まれているのです。

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