もう迷わない「及び」「並びに」の使い分け|公用文・契約書の階層ルール

話題沸騰中の もう迷わない「及び」「並びに」の使い分け|公用文・契約書の階層ルールについて、詳しいまとめをご紹介しています。

実務で最も質問が多く寄せられるのが、並列する対象が3つ以上存在する場合や、複数のグループが入り組んでいるケースの記述方法です。代表的な3つのパターンを整理します。

パターン1:階層差がない単純並列(3つ以上の場合)

並べる要素が対等で、グループ分けが存在しない場合は、対象が3つでも4つでも「及び」のみを用います。最後以外の要素は読点(、)でつなぎ、最後の要素の直前にのみ「及び」を配置するのが公式ルールです。

【例文】
・2つの場合:「東京都及び神奈川県」
・3つの場合:「東京都、神奈川県及び埼玉県」
・4つの場合:「東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県」

ここで「東京都並びに神奈川県」としたり、「東京都、神奈川県、並びに埼玉県」と表記したりするのは、公文書・契約書の実務上、明確な誤用とみなされます。

パターン2:2段階の階層構造を持つ並列

要素の中に小さなグループと大きなグループが混在する場合、小さなグループの接続に「及び」を使い、そのグループ同士を「並びに」で結びます。

【契約書及び並びに例文】
「甲及び乙(小グループ1)並びに丙及び丁(小グループ2)は、本契約を締結する。」

この構造によって、「甲と乙のペア」と「丙と丁のペア」という2つの陣営が並列関係にあることが一目で論理的に伝わります。

パターン3:要素の粒度が異なる複合的な並列

単独の要素と、グループ化された要素を併列させる場合も同様のルールが適用されます。

【例文】
「取締役及び監査役(役員グループ)並びに従業員(個別要素)」

役員という小さな枠組み(取締役+監査役)を「及び」で固め、それと対比される従業員という枠組みを「並びに」で接続しています。これにより、「取締役」「監査役」「従業員」の3者が同列ではなく、会社組織上の階層関係を保ったまま記述されます。

関連記事