女性ホルモン投与で男が後悔する真実とは?変容する身体と心の記録
ホルモン治療や未成年者への医療的介入に対する規制の議論において、英国の事例は国際的な転換点となった。英国唯一の若年者向け性別不適応専門外来であったタヴィストック・クリニック(ジェンダー発達専門サービス:GIDS)は、適切なカウンセリングを行わずに思春期ブロッカーやホルモン投薬を迅速に進めていたとして厳しい批判を浴び、閉鎖へと追い込まれた。
この問題を大きく表面化させたのが、同クリニックを訴えたケイラ・ベルの裁判である。16歳でホルモン治療を開始した彼女は、成人後に「自らの判断能力が不十分な時期に将来の不妊リスクや不可逆性を正しく認識できないまま治療を勧められた」と訴え、医療側の説明責任を厳しく追及した。この訴訟を契機に、イギリスや北欧諸国では未成年者や若年層に対するホルモン療法のガイドラインが急速に再評価され、安易な医療介入にストップがかかる事態となった。