おはようからおやすみまで、なぜ消えた?ライオン名Cmの真相と今
多くの日本人の耳奥に刻み込まれている「おはようからおやすみまで……」という深く澄んだ低音ボイス。あの語りを担当していた人物こそ、昭和・平成のナレーション界に偉大な足跡を残した声優・ナレーターの中江真司(なかえ しんじ)氏です。 中江氏といえば、特撮ドラマ『仮面ライダー』シリーズのオープニングナレーションや、フジテレビ系『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』の淡々としつつも説得力に満ちた解説ナレーションでも広く知られています。落ち着いたトーンの中に宿る人間味あふれる温かさは、視聴者に対して「押し付けがましくない誠実さ」を抱かせる類まれな魅力を持っていました。 当時のCM制作関係者が明かしたエピソードによると、提供クレジットの短い数秒間で「家庭の平穏と信頼」を同時に表現できる声として、中江氏の起用は満場一致で決定したとされています。マスコットキャラクターである着ぐるみの「ライオンちゃん」が画面中央で元気に動き回るポップな映像に対し、中江氏の重厚で穏やかな声が重なることで、子どもから高齢者まで全世代に安心感を与える絶妙なコントラストを生み出していました。 2007年に中江氏が逝去された際にも、SNSやネット掲示板には「子どもの頃、夏休みに家で聞いていたあの声が忘れられない」「ライオンの提供クレジットを聞くだけで安心した」といった追悼の声が相次ぎました。単なる広告のアナウンスを超え、国民的な記憶のアンカーとして機能していたことが窺えます。