太陽を盗んだ男』衝撃ラストの真相は?沢田研二の怪演と伝説のゲリラ撮影秘話

太陽を盗んだ男』衝撃ラストの真相は?沢田研二の怪演と伝説のゲリラ撮影秘話の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

本作の製作費は約4億3000万円という当時の日本映画としては異例の巨額予算が投じられましたが、それ以上に映画史に刻まれているのが、前代未聞の「完全無許可ゲリラ撮影」の数々です。

警察の包囲網を突破した伝説のカーチェイス

当時、東京都内での本格的なカーアクションや発砲シーンの道路使用許可は一切下りませんでした。しかし長谷川和彦監督とプロデューサーの山本又一朗をはじめとする制作陣は妥協を拒否。早朝の皇居前広場や銀座、羽田空港、首都高速道路において、無許可でカメラを回し、猛スピードのカーチェイスやクラッシュシーンを強行しました。

現場スタッフは無線で警察無線の動きを傍受し、パトカーが現場に急行してくるわずか数分の間に撮影を終えて機材ごと車に飛び乗って逃走するという、映画のストーリーさながらの緊迫した撮影が繰り返されました。撮影監督をはじめとするスタッフが警察に事情聴取を受ける事態も日常茶飯事であり、当時の制作現場の狂気じみたエネルギーがフィルム越しに生々しく伝わってきます。

なぜ原爆の脅迫要求が「ローリング・ストーンズ来日」だったのか

城戸が国家に対して突きつける要求は、政治的意図や巨額の身代金ではなく、「プロ野球のテレビ中継を最後まで完全放送しろ」「ザ・ローリング・ストーンズの日本公演を実現させろ」という、一見すると荒唐無稽で個人的な欲望でした。

当時、ローリング・ストーンズはミック・ジャガーらの過去の麻薬不法所持歴を理由に法務省から入国を拒否されており、日本のロックファンにとってストーンズの来日は「国家権力の壁に阻まれた永遠の悲願」でした。原爆という究極の暴力装置を手に入れた男が、自らの政治的主張ではなく「ロックバンドの入国許可」を迫るという皮肉。ここには、70年代の若者たちが抱えていた体制への苛立ちと、無邪気で刹那的なポップカルチャーへの渇望が見事に投影されています。

井上堯之の手掛ける劇中歌・挿入曲の魅力

映画を彩る音楽も極めて高い評価を得ています。名匠・井上堯之が手掛けたサウンドトラックは、プログレッシブ・ロックとジャズ、不穏な電子音が融合した斬新な仕上がりとなっており、城戸の精神的荒廃と東京のメタリックな街並みを鮮烈に引き立てました。さらに、ボニーMの『怪僧ラスプーチン』やストーンズの楽曲が効果的にインサートされ、映像の疾走感を極限まで高めています。

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