プロ直伝の鮎の甘露煮レシピ!骨までホロホロにする極意と黄金比
仕上がりの美しさと雑味のない上品な味付けを決定づけるのは、鍋に火をかける前の段階にあります。特に重要なのが「丁寧な下処理」と「完璧な素焼き(白焼き)」の2工程です。
まず取り組むべきは鮎の下処理 内臓の取り方です。初夏の小ぶりな若鮎であれば内臓の苦味が芳醇なアクセントになりますが、盛夏を過ぎた成魚や養殖鮎の場合、内臓に含まれる未消化物や過剰な胆嚢の苦味が全体の味を損なう要因になりかねません。姿を美しく保つためには、腹を裂くのではなく、エラ蓋から割り箸を差し込んで胃や腸を絡め取る「壺抜き」の手法が理想的です。ただし、家庭で手軽に行う場合は、肛門の直前に小さな切り込みを入れ、そこから指の腹で内臓を優しく押し出す方法でも十分綺麗に処理できます。処理後は流水で血合いを徹底的に洗い流し、表面のぬめりを塩で軽く揉んでからペーパータオルで完璧に拭き取ります。
下処理を終えた鮎をいきなり煮汁に入れてはいけません。必ず経由すべき工程が鮎の素焼き 白焼きのコツです。素焼きを行う最大の目的は、魚体内の余分な水分と脂、生臭さの元凶となるトリメチルアミンなどの成分を蒸発させ、旨味を内側に閉じ込めることにあります。
魚焼きグリルやオーブンを使い、弱火から中火の遠火でじっくりと時間をかけて焼き上げます。表面にうっすらと焦げ目がつき、ヒレや皮がピンと張るまで両面をしっかり乾燥させるように焼くのが鉄則です。水分を十分に抜くことで、その後の煮込み工程で煮汁が身の深部まで浸透しやすくなり、煮崩れに対する強固な耐性が生まれます。