漆黒の夜を焦がす無数の灯火「万燈会」幻想の特別拝観と穴場ルート
古都の歴史を今に伝える奈良公園周辺は、屈指の回廊地帯だ。なかでも東大寺の大仏殿前で繰り広げられる光景や、春日大社の参道沿いにズラリと立ち並ぶ無数の灯籠に火が灯る瞬間は、息をのむ美しさである。数千個もの石灯籠や吊り灯籠が一斉に揺らめく様は、まさにタイムスリップしたかのような錯覚さえ抱かせる。
効率よく巡るためには、夕刻の薄暮の時間帯に春日大社の参道から歩き始めるルートがおすすめだ。鬱蒼とした樹々に囲まれた参道を抜け、夕闇が濃くなるにつれて灯火の輝きが増していくプロセスはドラマチックそのもの。そこから青々とした芝生を抜け、東大寺へと向かう足取りには、古都ならではの重厚な歴史と静寂が常に寄り添っている。