ラスティネイルはなぜ「錆びた釘」?度数の真相と失敗しない黄金比レシピ
バーのメニューで見かける「ラスティネイル」を注文する際、最も注意を払うべきはアルコール度数の高さです。ベースとなるスコッチウイスキーのアルコール度数は一般的な銘柄で40〜43度。そして、もう一方の主原料であるリキュール「ドランブイ(Drambuie)」もまた、一般的なリキュールのような20度台ではなく、堂々たる40度を誇ります。
つまり、どれだけ比率を変えようとも、水やソーダなどのノンアルコール飲料で割らない限り、元の原液濃度は常に40度前後を維持します。ロックグラスに大型の氷を入れ、ステア(撹拌)して溶け出す加水を考慮したとしても、仕上がりのアルコール度数は33〜36度前後に着地します。これはジン・トニック(約12〜15度)の倍以上、ウイスキーの水割り(約13〜15度)と比較しても2.5倍近くのアルコール濃度です。
取材した銀座の老舗バーのベテランバーテンダーは、その危険性を次のように証言しています。「ドランブイに含まれるヘザーハニー(ヒースの花の蜂蜜)の濃厚な糖度と、門外不出のハーブ香がスコッチ特有のエタノール感を完璧にマスキングします。舌先ではまるでリッチな高級リキュールを舐めているような錯覚に陥りますが、胃壁に届いたときには強烈なアルコールとして作用するため、ウイスキー慣れしていない方がカクテル感覚でペースを上げると確実に足元をすくわれます」。