認知症と誤認も?頭を打った数週間後に潜む「硬膜下血腫」の初期症状を徹底解説
名前が似ていることから混同されやすい疾患に「硬膜外血腫」があります。両者の決定的な違いは、出血が起きる解剖学的な層と、出血源となる血管の種類です。
硬膜外血腫は、頭蓋骨と硬膜の間に出血が生じる疾患で、側頭部などの頭蓋骨骨折に伴い「中硬膜動脈」という太い動脈が損傷して生じることが大半です。動脈性の出血であるため圧が高く、短時間で大きな血腫を形成します。受傷直後は意識が清明(正常)であっても、数十分から数時間後に急激に昏睡へ陥る「意識清明期(ルーシッド・インターバル)」が存在することが臨床上の大きな特徴です。
一方の硬膜下血腫は、硬膜とくも膜の間に血がたまります。特に慢性型は静脈性のごく微量な出血が元になるため、内圧が上がりにくく、被膜が形成されて徐々に袋状の血腫が拡大していきます。急性硬膜下血腫は脳そのものの挫傷を伴うことが多く脳損傷のダメージが強いのに対し、硬膜外血腫は脳実質の損傷を伴わないことも多いため、迅速に血腫を除去できれば良好な経過をたどる傾向があります。