サーカス世界一はどこ?シルクと世界三大サーカスの売上・動員数を徹底比較について重要なポイントを解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。
長年、日本をはじめ世界で語り継がれてきた枠組みが「世界三大サーカス」です。一般的には、アメリカの「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」、ロシア(旧ソビエト)の「ボリショイサーカス(ロシア連邦サーカス公社)」、そして日本の「木下大サーカス」の3社を指します。それぞれが歩んだ歴史と強みは、劇的な対比を見せています。
劇団名・拠点詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価シルク・ドゥ・ソレイユ
(カナダ・ケベック)・累計動員:3億6,000万人超
・年間売上:約1,000億〜1,500億円規模
・公演形態:常設館および特設ツアー業界平均の約10〜20倍に達する巨大エンタメコングロマリット【経済・芸術の世界一】
動物を使わず、舞台演出と超絶技巧でライブエンタメの頂点を独走。木下大サーカス
(日本・岡山)・創業:1902年(120年超の歴史)
・年間動員:約120万人
・公演形態:伝統の大型赤い天幕巡業国内単一劇団として年間100万人動員は国内エンタメ界でも異例の規模【移動テント動員の世界第2位】
1世紀以上続く黒字運営と地域密着の総合サーカス文化を守り抜く名門。リングリング・ブラザーズ
(アメリカ)・創業:1871年(146年継続後に一時休止)
・全盛期:「地上最大のショウ」と呼称
・2023年以降:動物なしで再始動アリーナ規模で3つのリングを同時進行させる超巨大メガサーカス【歴史的スケールの世界一】
巨象の行進などで知られたが、動物愛護団体の抗議を受け変革の途上。ボリショイサーカス
(ロシア)・母体:ロシア連邦サーカス公社(ロスゴスツィルク)
・国家資格を持つエリート団員多数
・熊や猛獣の調教技術で知られる国家の全面支援を受け、サーカス学校から英才教育を施す特殊体制【技術と国家威信の世界一】
技術力は極めて高いが、国際情勢の悪化により日本含む海外公演は激減中。
世界三大サーカスの違いを俯瞰すると、それぞれの劇団が直面した時代の変遷が色濃く反映されています。アメリカのリングリングサーカスの歴史はまさにスペクタクルそのものでした。「地上最大のショウ(The Greatest Show on Earth)」を掲げ、専用のサーカス列車で全米のアリーナを巡回する規模は文字通り規格外でしたが、看板であったゾウのショーに対する動物愛護団体からの激しい批判を受け、動員が激減。2017年に146年の歴史に一度幕を下ろしました。現在は人間の身体能力に特化した演出で見事な復活を遂げています。
一方、ボリショイサーカスの現在は、地政学的危機による孤立が影を落としています。モスクワの国立ボリショイサーカス常設館をはじめ、ロシア国内では今なお手厚い国家支援のもとで世界屈指のアクロバットや動物調教が披露されていますが、ウクライナ侵攻以降の国際情勢により、かつて毎夏のように開催されていた日本公演などの国際ツアーはほぼ途絶えています。技術的にはサーカス世界最高峰の理由とされるロシア式英才教育の結晶でありながら、西側諸国のファンが生で目にする機会は著しく減少してしまいました。
中村 さくら
マネー&キャリアエディター
エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。