サンタクロースの本名と正体は?実在したモデルの伝説と赤い服の真相
ネット上の雑学記事やSNSで頻繁に語られる言説のひとつに、「サンタクロースが赤い服を着ているのは、コカ・コーラ社が自社のコーポレートカラーを広めるために作った商業戦略である」というものがあります。しかし、歴史的文献を精査すると、この説は「半分正しく、半分は誤解」であることが判明しています。
事実として、コカ・コーラ社が1931年に画家ハッドン・サンドブロムを起用して大々的な冬期キャンペーンを展開する数十年前から、赤い服を着たサンタクロースはすでに欧米で描かれていました。
まず根本的な起源として、聖ニコラオスが着用していたキリスト教高位聖職者の祭服(カトリックの枢機卿服や東方教会のローブ)は格式の高い赤や真紅でした。これが民俗行事の中でも受け継がれ、さらに1863年から1880年代にかけてアメリカの風刺画家トマス・ナストが米週刊誌『ハーパーズ・ウィークリー』で描いたサンタクロースの連載挿絵において、すでに赤い衣装を着たふくよかなサンタ像が完成していました。
コカ・コーラ社が果たした決定的な役割は「服の色を赤にしたこと」ではなく、それまで青、緑、茶色、赤など様々な色で描かれ、時に厳格で近寄りがたい妖精風だったサンタ像を、「ふくよかで白い豊かな髭を蓄え、人間味にあふれる陽気な笑顔の好々爺」としてビジュアルを完全に統一し、グローバル規模で定着させた点にあります。