上を向いて歩こうが全米1位になった本当の理由と65年目の真相にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
1963年6月15日付の米ビルボード「Hot 100」において、坂本九の歌う本楽曲は1位を獲得し、3週連続で首位の座を維持しました。全編日本語の楽曲がアメリカのチャート頂点に立ったのは、後にも先にもこの1曲のみであり、日本のポップス史上最大の金字塔として語り継がれています。
では、なぜ本来の意味とは何の関係もない「SUKIYAKI」という曲名が付けられたのでしょうか。ネット上では「日本食ブームに便乗した」「適当に名付けられた侮蔑的措置ではないか」といった憶測が散見されますが、記録された史実を検証すると、極めて合理的かつ緻密なマーケティング的判断が存在していました。
検証項目詳細・歴史的事実データ一般的な世間の認識客観的検証と評価原曲の海外輸出ルート英ジャズ奏者ケニー・ボールが訪日時に聴き惚れ、インスト版『Sukiyaki』として英国チャート2位を記録。アメリカのDJが直接日本盤を発見して広めた。英国発のインストヒットが先行し、逆輸入的に米国の関心を惹起したのが実態。タイトル改名の動機英パイ・レコードの社長ルイス・ベンジャミンが「英語圏のDJが読めず発音できない」と判断し改名。米国キャピトル・レコードの独断による改名。英国盤の発売時にすでに決定されており、米レーベルはそのタイトルを踏襲した。米国チャート実績1963年6月15日付から3週連続1位。年間チャート総合10位、全世界通算1,300万枚超。一過性の珍奇なヒット(ノベルティソング扱い)。メロディと歌声が純粋に評価され、大統領の追悼番組等でも使用される真のスタンダードに到達。言葉の壁の克服ワシントン州のラジオDJリッチ・オズボーンが坂本九のボーカル盤をかけ、リスナーのリクエストが殺到。英語詞に吹き替えられてヒットした。オリジナル日本語歌唱のまま全米チャートを制覇した、音楽史上に残る奇跡的快挙。
当時のイギリスやアメリカにおいて、「Ue o Muite Arukou」という日本語タイトルはラジオDJにとって紹介しづらく、リスナーがレコード店で注文するのも極めて困難でした。そこで、「誰もが知っている日本の響きが良く、親しみやすい単語」として、すでに普及していたすき焼き(SUKIYAKI)が採用されたのです。永六輔自身はこの改名に対して当初「さよなら、さよなら、すき焼きの歌」と苦笑交じりに不満を漏らしたエピソードも残されていますが、この記号化された親しみやすさが全米制覇の呼び水となったことは否定できません。
小林 直樹
トレンドリサーチャー
シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。