厚塗りのやり方完全解説|初心者が色が濁る理由と立体感を出す決定打
厚塗りの完成度を決定づけるのは、キャラクターの部位ごとの質感差をいかに描き分けるかという技術です。ここでは厚塗りイラストメイキング詳細まとめとして、初心者が特に苦手とする4大部位の攻略法を解説します。
1. 厚塗りの立体感を出す影のつけ方
立体感を出すための影は、単一のトーンではありません。光の物理現象を分解すると、影は「明暗の境界(ターミネーター)」「本影(コアシャドウ)」「反射光(バウンスライト)」の3要素から成り立っています。丸みを帯びた球体を描く場合、最も暗い影は物体の端ではなく、境界の少し内側に現れます。物体の輪郭付近には、床や周囲のオブジェクトから跳ね返ってきた光(環境光)が薄く入り込むため、暗色の中にわずかな明るさを残すことで、驚くほどの奥行きが立ち現れます。
2. 厚塗り肌の塗り方テクニック
肌はプラスチックのように均一な硬い物質ではなく、光が皮膚の内部で散乱する「皮下散乱」という特性を持っています。そのため、光と影の境目部分に彩度の高いオレンジや赤みのあるピンクを帯状に走らせるのが決定的なテクニックです。この赤みを挟むことで、厚塗りにありがちな「死人のような冷たい肌」を防ぎ、血色感のある柔らかい肉体を表現できます。鼻先、耳たぶ、指先など毛細血管の多い部位には、意識して強めの赤を混色していきます。
3. 厚塗り髪の毛の描き方コツ
髪の毛を描く際、初心者が陥りがちな過ちは「最初から細い線で毛先を一本一本描いてしまう」ことです。厚塗りにおける髪の毛は、毛束を「大きなリボンの塊」として捉えることから始めます。まず大きな塊ごとに光と影を大胆に塗り分け、その後に中くらいの束を削り出し、最後に全体の数パーセント程度だけほつれ毛を細いストロークで足します。ブラシの不透明度を約60%から75%に設定し、頭球の丸みに沿ってストロークを流すことで、油彩のような豊かな艶が生まれます。
4. 厚塗り目の塗り方とハイライト
目はキャラクターの魂であり、厚塗りにおいて最もハイコントラストに仕上げるべき焦点です。眼球もまた球体であるため、白目部分にも上瞼の落ち影をしっかり入れます。虹彩は中心の瞳孔を深く沈み込ませ、下部には対向面からの反射光として彩度の高い明るい色を敷きます。そして厚塗り目の塗り方とハイライトの要となるのが、仕上げの「瞳の光」です。周囲の筆跡がマットであるほど、最後に置くシャープで硬いハイライトのエッジが際立ち、吸い込まれるような瑞々しい視線が完成します。