竪穴式住居の読み方と「式」が消えた理由|教科書の謎と歴史の真実

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竪穴住居の形態は、時代ごとの社会構造の変化を鮮明に映し出しています。採集・狩猟を主たる生業としていた縄文時代と、本格的な水稲稲作が定着した弥生時代とでは、間取りや空間配置に顕著な構造変化が見られます。

比較項目縄文時代の竪穴住居弥生時代の竪穴住居高床倉庫(たかゆかそうこ)平面プラン(形状)円形または楕円形が主流方形(長方形・隅丸方形)が主流高床式の長方形構造内部の炉(暖房・調理)中央に石囲い炉や地炉を配置一角に寄せられるか炉自体が消失火気厳禁(居住設備なし)主たる生活機能家族単位の就寝・調理・道具製作就寝特化、機織りなどの作業分化収穫した稲穂・籾の長期備蓄特筆すべき構造的工夫大型竪穴住居(集会所)の存在周溝による排水処理の強化柱頭の「ねずみ返し」と通気床

縄文時代の竪穴住居は、青森県の三内丸山遺跡に代表されるように、平面プランが円形または楕円形を描くものが一般的でした。三内丸山遺跡では直径15メートルを超える長大な「大型竪穴住居」も発掘されており、単なる個人の住居ではなく、豪雪地帯における冬期の共同作業場や集落の合議の場として活用されたと考えられています。

一方、弥生時代に入ると稲作の定着に伴って定住性が強化され、空間を効率的に使える四角形(方形)へと移行します。さらに、水稲農耕によって生じた余剰作物を保管するため、高床倉庫(たかゆかそうこ)が不可欠な施設として集落内に登場しました。湿気から穀物を守る通気性と、害獣の侵入を防ぐ「ねずみ返し」を備えた高床構造は、地面に潜る竪穴住居とは対極の進化を遂げた建築であり、居住と備蓄の明確な機能分担が成立したことを物語っています。

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