司法の決断と確定の波紋――住田紘一の事件が残した裁判員裁判の課題と現在地
この事件がもたらしたもう一つの深刻な側面は、審理に携わった裁判員たちの精神的ダメージである。裁判では遺体の損壊状況や現場の写真など、極めて刺激の強い証拠が提示された。一般市民が日常から突如引きはがされ、惨劇の残骸と直面させられたのだ。
実際、判決後の記者会見やその後の取材で、複数の裁判員が夜眠れなくなったり、強いフラッシュバックに悩まされたりした実態が浮き彫りになった。市民参加型司法の理念が謳われる一方で、過酷な証拠調べを課せられた市民へのケア制度がいかに不十分であったか。このケースは、裁判員の心理的トラウマ対策の充実を求める契機となった。