松田翔太『ライアーゲーム』の衝撃|秋山深一の魔力と降板劇の真相
シリーズのファンにとって長年議論の的となってきたのが、劇場版第2作『ライアーゲーム -再生-(REBORN)』におけるヒロイン交代劇です。ドラマSeason 1、Season 2、そして映画『LIAR GAME The Final Stage』(2010年)まで神崎直を演じた戸田恵梨香がなぜ姿を消し、多部未華子が新ヒロイン・篠宮優を務めたのか。ネット上では「松田翔太との不仲説」「制作側とのトラブル」など根拠のない憶測が飛び交いました。
しかし、当時の配給会社や制作スタッフの公式発表資料、当時の取材記録を検証すると、ライアーゲーム 戸田恵梨香 降板理由の真相は、物語の構造的完結とスケジューリングという極めてプロフェッショナルな理由であることが分かります。
前作『The Final Stage』の結末において、神崎直は「人を信じる心」によって全プレイヤーを救済し、巨額の負債を清算してライアーゲーム事務局を完全に解体へと追い込みました。つまり、「カンザキナオ」という少女の魂の救済と成長の旅路は、あの映画のラストで美しく完結していたのです。興行通信社の記録でも興行収入22.6億円を記録した前作で物語が閉じている以上、再びナオを騙し合いの場に引きずり戻すことは、キャラクターの尊厳と脚本の整合性を破壊しかねないリスクがありました。
さらに当時、戸田恵梨香は『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズをはじめとする主演作が目白押しであり、多忙を極めていた時期と重なります。そこで白羽の矢が立ったのが、ライアーゲーム 再生 多部未華子でした。
多部未華子が演じた篠宮優は、帝都大学を卒業したばかりの心理学科の教え子であり、直とは異なる等身大の弱さとプライドを持つ女性です。騙されて絶望に沈む篠宮を、秋山が再び自らのトラウマと向き合いながら救い出していく構図は、秋山深一という男の「教育者・救済者」としての新たな側面を浮き彫りにしました。ヒロイン交代は単なるスキャンダルではなく、シリーズを新たな切り口で延命させるための戦略的キャスティングだったのです。