ステージ4中咽頭がん克服!村野武範を救った奇跡の陽子線治療とは
医療業界で近年極めて高い評価を得ているのが陽子線治療だ。従来の放射線治療で使用されるX線は、身体を突き抜ける過程で正常な組織にも一定のダメージを与えてしまう。これに対し、水素の原子核である陽子を加速させて照射する陽子線は、狙った深さで急激にエネルギーを放出し、その場で消滅する「ブラッグピーク」という独特の物理的特性を持つ。
この特性により、癌病巣の周りにある健全な器官や血管への影響を極限まで抑えることができる。特に頭頸部がんのように、複雑な神経や重要な機能が密集している部位において、陽子線治療は理想的な「切らない手術」として威力を発揮する。痛みもほとんどなく、生活の質(QOL)を保ちながら治療を続けられる点が最大の強みだ。