織田信長の身長は本当に170Cm?残された甲冑と古記録から判明した衝撃真相
同時代に信長と直接対面し、その容貌や挙措を克明に書き残した人物として欠かせないのが、ポルトガル人宣教師のルイス・フロイスです。フロイスはその膨大な記録集『日本史(Historia de Iapam)』の中で、信長の容貌について極めて示唆に富む記述を残しています。
「彼は中背で、痩せており、髭は少なく、声は極めて甲高く、いつも武具を好み、粗野で、正義を重んじ、情け深く、傲慢で、名誉を尊ぶ――」
ここで注目すべきは、日本人から見れば明らかに大柄であったはずの信長を、フロイスが「中背(Statura mediocre)」と表現している点です。この記述を額面通りに受け取った一部の歴史愛好家の間では、「信長は実は平均並み、あるいは小柄だったのではないか」という疑念が生じる契機にもなりました。しかし、この謎は当時のヨーロッパ人の体格データを照らし合わせることで明確に解消されます。
大航海時代にあたる16世紀のポルトガル人やスペイン人男性の平均身長は、栄養状態の違いから約160cm〜165cm程度でした。つまり、フロイスら宣教師の母国基準に照らし合わせれば、168cm前後の信長は「決して巨人というほど突き抜けて大きくはないが、小柄でもない標準的な体格」、すなわち「中背」という評価に落ち着くわけです。
仮に信長が当時の日本人平均である157cm程度であったなら、フロイスは「小柄である」と記述したはずです。西洋人の視点から見て「中背で痩躯」と評された事実は、信長が日本人離れした骨格を持ち、余分な脂肪のない引き締まった体幹を保持していたことを裏付ける有力な証言といえます。