トマト缶ナポリタンが酸っぱいのはなぜ?喫茶店のコクを出すプロ直伝裏技
ナポリタンの調理法を巡る言説の中には、科学的な裏付けのない思い込みや誤解が定着しています。最も多いのが「トマト缶を長時間コトコト弱火で1時間煮込めば美味しくなる」というイタリアン煮込み料理の常識をそのまま持ち込むケースです。
家庭用の火力において、弱火で蓋をせずに長時間煮込むと、揮発させたい水分が抜けきらないままトマトの香気成分だけが失われ、ただ重たいだけのペクチンの塊になってしまいます。水分を効率よく飛ばすには、表面積の広いフライパンを用い、強めの火力で短時間で蒸気として立ち上らせるのが正解です。
もうひとつの盲点は、「フレッシュな生トマトを入れればもっと高級感が出る」という誤解です。生トマトは水分含有率が94%以上に達し、糖度も品種によっては低いため、炒め物の工程で大量の水分を吐き出し、ソースの油分と分離してベタつきの原因になります。生トマトを使用する場合は種を取り除き、しっかりと水分をペーパーで拭き取ってから強火でサッと炒めるか、やはり加工用に設計されたホールトマト缶に頼るのが賢明な判断です。