トラウマとPtsdの決定的な違いとは?心の傷と病気を見分ける境界線
トラウマに関連する疾患は、症状が現れる時期や原因となった体験の性質によって細かく分類されます。適切な支援を受けるためには、それぞれの病態の違いを正確に把握することが欠かせません。
まず把握しておきたいのが、急性ストレス障害(ASD)との違いです。ショックな出来事の直後から3日〜1ヶ月未満の間に生じる強いストレス反応はASDと呼ばれます。この段階で適切な休養や初期ケアを受けることで自然治癒するケースも多く存在しますが、症状が1ヶ月を超えて持続した場合に初めてPTSDと診断されます。
さらに見逃せないのが、近年国際疾病分類(ICD-11)にも採用された「複雑性PTSD」です。一般的なPTSDが一度の災害や事故、犯罪被害などの単回性トラウマを契機とするのに対し、複雑性PTSDは児童虐待やDV、長期的な監禁・いじめなど、逃げ場のない状況で長期間繰り返されたトラウマによって引き起こされます。
複雑性PTSDの症状の違いとしては、通常のフラッシュバックや過覚醒に加え、「感情のコントロールが著しく困難になる」「自分には価値がないという持続的な否定的自己概念」「他者と親密な関係を築くことが極端に難しい」といった特徴的なパーソナリティの揺らぎが強く現れます。