吐きたいのに吐けない理由と対処法|今すぐ楽になる応急処置と危険サイン
「吐いてしまえばスッキリする」という思い込みから、喉の奥に指を突っ込んで無理やり吐こうとする行為は、極めて危険な行為です。医療現場では、自己誘発性嘔吐によって救急搬送されるケースが後を絶ちません。
無理に吐く危険性として最も警戒すべきは、マロリー・ワイス症候群です。急激な腹圧の上昇と胃・食道への物理的圧力により、食道と胃の接合部付近の粘膜が縦に裂け、大量吐血や下血を引き起こします。重症化すると内視鏡による止血術や輸血が必要となるケースもあります。
さらに深刻なのが特発性食道破裂(ブールハーフェ症候群)です。無理な嘔吐反射によって食道内圧が異常に高まり、食道壁そのものが完全に破裂する致死率の高い救急疾患です。胸部に激痛が走り、縦隔炎を併発して命に関わります。
また、意識が朦朧としている状態やお酒に酔った状態で催吐を試みると、吐瀉物が気管に入り込み誤嚥性肺炎や窒息事故を誘発するリスクが跳ね上がります。強酸性の胃液が食道や咽頭を繰り返し通過することで、難治性の逆流性食道炎や歯のエナメル質融解を引き起こす点も見逃せません。