妥協しない服選び!ジャケットの肩幅を直す職人の神技と費用相場
紳士服の歴史を紐解くと、肩の造形こそがその時代の美意識を如実に物語っていることがわかる。かつて英国のラグジュアリーな仕立て屋が立ち並ぶサヴィル・ロウで確立されたクラシックなテーラリングは、重厚な芯地としっかりとしたビルドアップシェイプが象徴的だった。構築的な肩ラインこそが、男らしさと権威の象徴であったのだ。
ところが1970年代後半、イタリアの最高峰デザイナーであるジョルジオ・アルマーニが芯地や硬い構造を取り払った「アンコンストラクテッド(アンコン)」ジャケットを発表し、メンズファッションに革命をもたらした。無駄な張りを削ぎ落としたナチュラルショルダーの登場によって、ジャケットはより軽やかでエレガントな羽織り物へと進化したのだ。この歴史的背景を知ると、肩幅の数ミリの調整が衣服の雰囲気をいかに決定づけるかが理解できるだろう。