Wands「天使になんてなれなかった」歌詞の真相と第2期脱退劇
1990年代前半、WANDSは「もっと強く抱きしめたなら」「時の扉」「愛を語るより口づけをかわそう」「世界が終るまでは…」といったメガヒットを連発し、CDバブルの主役として君臨していました。シングル・アルバム累計売上は数千万枚規模に達し、制作会社ビーイングが主導する緻密なメディア戦略とキャッチーなメロディラインは、当時の日本全国を席巻していました。
しかし、その華麗なスポットライトの裏で、フロントマンの上杉昇とギタリストの柴崎浩は深刻な音楽的違和感を募らせていました。米国のニルヴァーナ(Nirvana)やパール・ジャム(Pearl Jam)に端を発するグランジ/オルタナティブロックの潮流に強い衝撃を受けた2人は、敷かれたレール通りの「タイアップ用ポップス」を歌い続けることに限界を感じていたのです。
その葛藤が臨界点に達した末に結実したのが、1995年4月24日にリリースされた4枚目のオリジナルアルバム『PIECE OF MY SOUL』でした。全編を覆うダークでヘヴィなギターリフ、生々しいドラムサウンド、そして痛切なボーカル。オリコン週間チャート初登場1位を獲得し、累計売上110万枚を突破したミリオンセラー名盤でありながら、本作に収録された「天使になんてなれなかった」をはじめとする楽曲群は、それまでのWANDSの爽快なイメージを完全に破壊するものでした。まさにWANDS アルバム 歴代名盤の筆頭として語り継がれる理由がここにあります。