西田敏行を支え続けた妻・寿子さんとの愛の軌跡と知られざる素顔
重厚な歴史作品でも彼の存在感は光り輝いていた。NHK大河ドラマ『八重の桜』での西郷頼母役をはじめ、数々の時代劇で見せた凄みのある立ち振る舞いは、徹底した役作りに裏打ちされたものだ。役に没頭するあまり、自宅でもピリッとした緊張感を纏うことがあったが、妻・寿子さんはそれを優しく包み込み、日常の穏やかなペースへと連れ戻す名人だった。
家族の前で見せる彼の素顔は、極めてお茶目で、どこまでも心優しいマイホームパパだったという。娘たちの成長を温かい眼差しで見守り、休日には自ら包丁を握って家族に料理を振る舞うこともあった。カメラの前で見せる豪快な演技の裏には、家庭という穏やかな港で妻と交わす何気ない日常の会話と、互いを慈しむ温かな時間が流れていた。