夏目漱石『こころ』要約と結末の真相!先生の裏切りとK自死の理由
Kの死後、先生はお嬢さんと結婚し、一見平穏な家庭を築きます。しかし、先生の心は親友を死に追いやったエゴイズムと罪の意識で完全に壊れていました。「自分は叔父と同じ卑劣な人間だった」という自己嫌悪から定職にも就かず、酒に溺れ、お嬢さんに対しても罪悪感から心からの愛を注げない日々が続きます。
自らを罰するように生きていた先生の転機となったのが、1912年の明治天皇の崩御と、それに伴う乃木希典陸軍大将の殉死でした。
かつて西南戦争で軍旗を奪われた責任感を三十数年間抱え続け、天皇の死を機に切腹した乃木大将の姿に、先生は自らの人生を重ね合わせます。明治という時代の終わりとともに、自らの罪深い生にも終止符を打つことを決意した先生は、「明治の精神に殉死する」と言い残し、命を絶ちました。妻に真実を明かせば彼女の純粋な心を破壊してしまうため、先生はすべての告白を青年「私」へ宛てた遺書に託したのです。