相撲の「黒星」なぜ負けを意味する?由来と星取表の真実を徹底解明
大相撲の勝敗表現は、単なる白と黒の二元論にとどまりません。番付社会ならではの階級差を反映した、極めて独特な「星」の用語体系が存在します。
代表的なものが「金星(きんぼし)」です。これは前頭(平幕)の力士が、最高位である横綱と対戦して白星を挙げた場合にのみ公式に認められる栄誉です。金星を獲得すると、力士の給与に生涯加算される「力士褒賞金」の支給標準額が10円(本場所手当換算で毎場所4万円の支給増)底上げされ、引退までその恩恵を受け続けます。一方で、大関を平幕が破った場合を指す「銀星(ぎんぼし)」という言葉もありますが、こちらは報道機関や相撲ファンが用いる通称であり、日本相撲協会の公式記録や褒賞金の対象ではありません。この金星銀星違いは、相撲ファンなら押さえておくべき基礎教養といえます。
対して、横綱側の視点から使われるのが「黒星配給(くろぼしはいきゅう)」という厳しい表現です。最高権威である横綱が平幕力士に敗れることは、単なる1敗にとどまらず相手に金星を「配給」してしまった屈辱を意味します。横綱は常に全勝優勝を宿命づけられており、序盤や中盤で平幕に黒星を配給することは、即座に進退問題へと直結しかねない重い失態となるのです。