今川焼きの呼び方はなぜ違う?全国分布マップと激論の真相を徹底解明
呼び名論争が過熱するあまり、インターネット上ではいくつかの誤認や極端な言説が独り歩きしています。食文化の正確な理解のために、よくある誤解を整理しておきましょう。
誤解1:「今川焼きが元祖なのだから、他の呼び名は誤用である」
「江戸の今川焼きが元祖なのだから、大判焼きや回転焼きと呼ぶのは方言の誤用だ」と主張する声がネットで見られますが、これは歴史的な文脈を無視した乱暴な見方です。前述の通り、「大判焼き」は愛媛発祥の新しい規格機から派生したイノベーションであり、「回転焼き」は機械構造に由来する正当な呼称です。言葉は時代や産業とともに進化するものであり、発祥地の呼称だけが唯一の正解というわけではありません。
誤解2:「御座候は関西全域の伝統的な呼び名である」
「関西人はみんな御座候と呼ぶ」という言説も一部誇張が含まれています。御座候はあくまで民間企業のブランド名であり、店舗が存在しない農村部や、地域に個人経営の甘味処がある街では、関西であっても「回転焼き」や「太鼓焼き」と呼ぶのが一般的です。とりわけ百貨店文化の浸透した都市部の住民を中心に「御座候」という呼称が強く浸透したというグラデーションが存在します。