胸管とは?解剖学から左静脈角への走行・国試頻出ポイントを徹底解説

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胸管は後縦隔の深部を走行しているため、食道癌根治術や縦隔腫瘍手術、大動脈瘤手術といった胸部外科手術の際に損傷を受けるリスクがあります。また、胸部の強い外傷や中心静脈カテーテル挿入時の穿刺事故によって破綻することもあります。

胸管が破綻・断裂すると、管内を流れるリンパ液が胸膜腔内に大量に漏出・貯留します。この病態を「乳び胸(にゅうびきょう)」と呼びます。

乳び胸を発症した場合、以下のような症状や全身管理上のリスクが生じます。

  • 呼吸不全:漏れ出たリンパ液が肺を圧迫し、高度の呼吸困難や胸痛を引き起こす。
  • 栄養障害・脱水:1日に1〜2リットル以上もの脂肪やタンパク質に富んだ体液が体外・胸腔内へ失われるため、急速な低栄養や脱水、体重減少が進む。
  • 免疫力低下:リンパ液に含まれる大量のリンパ球が失われ、重篤な感染症リスクが高まる。

治療においては、まず胸腔ドレナージによる排液管理を行いつつ、脂肪分を含まない特殊な食事(中鎖脂肪酸ミルクなど)への切り替えや完全静脈栄養による絶食管理でリンパ液の産生を抑えます。保存的治療で漏出が止まらない難治例に対しては、外科的な胸管結紮術(けっさつじゅつ)や、カテーテルを用いた胸管塞栓術が選択されます。

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