「息してる」は誤解!死戦期呼吸の見分け方とAed・心肺蘇生法
倒れた人が「ヒュー」「クックッ」と音を立てて口を動かしていると、周囲にいる人は無意識に「自力で呼吸している」と判断しがちです。これが救命現場における最大の落とし穴となっています。死戦期呼吸とは、心臓が突然止まった直後、脳への血流が途絶えた際に脳幹に残った電気信号によって引き起こされる最後のあえぎ(ガスパリング)です。
心臓が血液を送り出せていないため、肺での酸素交換は一切行われていません。つまり、外見上は息を吸おうとしているように見えても、体内は完全な無呼吸・心停止状態に陥っています。心停止直後の約4割から5割の患者にこの現象が現れると報告されており、決して珍しいケースではありません。「息があるから救急車を待とう」という判断は、そのまま救命のタイムリミットを浪費することに直結します。