一票の格差とは何か?最高裁が違憲と判断した真相と10増10減の影響を完全解説
衆議院における一票の格差是正策として最大の転換点となったのが、「アダムズ方式」に基づく区割り改定(いわゆる10増10減)です。
従来の区割りは、各都道府県にまず1議席を無条件に配分(1人別枠方式)したうえで残りの議席を人口比で配分していたため、人口の少ない県が構造的に優遇され、都市部との格差が2倍以上に広がりやすい欠陥を抱えていました。これに対し、2016年の衆院選挙制度改革関連法で導入が決まったのがアダムズ方式です。
アダムズ方式の計算方法は以下のステップで行われます。
- 各都道府県の人口を、ある特定の数値(除数X)で割る。
- 計算結果で出た端数を「すべて切り上げて整数(1以上)」にする。
- 全47都道府県の切り上げ後の数値を足し合わせ、その合計が衆議院の小選挙区定数(289議席)とピッタリ一致するよう除数Xを調整する。
この人口比例を厳格に反映する計算式により、人口が増えた東京都(5増)、神奈川県(2増)、埼玉県、千葉県、愛知県(各1増)の5都県で議席が増加し、人口減少が進む青森、岩手、宮城、福島、新潟、長野、滋賀、和歌山、岡山、広島の10県で各1議席が削減されました。
この結果、衆議院の格差倍率はすべての選挙区で2倍未満に収まりましたが、首都圏一極集中が続く限り、国勢調査のたびに都市部の議席が増え続ける「人口追従の限界」も指摘されています。