昭和の大相撲を制した第44代横綱・栃錦の伝説と引退の真相
話題沸騰中の 昭和の大相撲を制した第44代横綱・栃錦の伝説と引退の真相について、多角的な視点をご紹介しています。
栃錦の相撲を語る上で欠かせないのが、土俵際で見せる驚異的な粘りと多彩な栃錦 決まり手 技の数々です。当時「技のデパート」と呼ばれた栃錦は、単に相手を力でねじ伏せるのではなく、相手の重心移動と呼吸を完璧に読み切った体裁きを得意としていました。
代表的な得意技は、強烈な左のおっつけからの「出し投げ」「切り返し」「内掛け」「蹴返し」など多岐にわたります。相手力士が栃錦を土俵際まで追い詰めた瞬間こそが最も危険であり、回り込みながらの出し投げや、相手の足を刈る絶妙な技で数々の逆転劇を生み出しました。
当時の大相撲中継解説や相撲専門誌の記録によると、栃錦自身は自著や後年の談話で次のように語っています。
「土俵の上では、相手の力に逆らわず、その力を利用して勝つのが真の技術だ。自分の体重が軽いなら、相手の体重をそのまま相手の墓穴にしてしまえばいい」
この徹底した合理主義と稽古量に裏打ちされた技法こそが、大柄な力士をきりきり舞いさせ、ファンを熱狂させた源泉でした。