治水の意味とは?利水との違いや命を守る流域治水の最前線

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山が険しく川の流れが急な日本列島において、治水事業の歴史と経緯は水害との果てしない闘いそのものでした。戦国時代には、甲斐の武田信玄が築いた「信玄堤(しんげんづつみ)」や、あえて堤防の一部を開けて遊水させる「霞堤(かすみてい)」など、水の勢いをいなしながら被害を局所化する高度な技術が確立されました。

明治期に入ると、オランダ人技師デ・レーケらの指導による近代砂防技術の導入や、コンクリートによる強固な連続堤防の建設が進められました。川の流れをコンクリートの壁で固定し、都市部に水があふれないよう一気に海へと流す「一本足打法」的な治水が主流となったのです。

しかし、近年の極端気象は想定をはるかに超える雨量をもたらし、堤防決壊の理由と対策に新たな課題を突きつけています。堤防決壊の主因は、水位が堤防を越える「越水(えっすい)」、水圧や浸透によって土手が崩れる「浸透」、そして激しい水流で川底や法面が削られる「洗掘(せんくつ)」です。現在では、越水してもすぐに決壊しない粘り強い構造を持つ強化堤防の開発や、ドローン・AIセンサーによるリアルタイムの堤防劣化監視など、ハード・ソフト両面からの対策が進められています。

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