中島みゆき『宙船』提供の真相とセルフカバーの衝撃!名曲の軌跡
TOKIO版のシングルリリースから約3ヶ月後の2006年11月15日、中島みゆきは通算34枚目のオリジナルアルバム『ララバイSINGER』において、待望のセルフカバーを収録しました。同一の歌詞・メロディでありながら、アプローチと世界観は明確に異なります。
船山基紀が編曲を手掛けたTOKIO版は、疾走感あふれるパンキッシュな歌謡ロックとして構成されています。力強いドラムスと唸るエレキギター、そして長瀬智也の若々しく情熱的なハスキーボイスが全面に出ており、「荒れ狂う風のなか、仲間と共にがむしゃらに船を進める男たちの疾走劇」という瑞々しいエネルギーが満ちています。
対して、中島みゆきの長年の盟友である瀬尾一三がアレンジを担当したセルフカバー版は、大地を揺るがすようなヘヴィなアコースティック・グルーヴと重厚なオーケストレーションが特徴です。中島みゆきのボーカルは、地の底から湧き上がるような唸り声、呪術的とも言える凄烈な低音、そしてサビで天へ突き抜ける劇的なトーンへと自在に変化します。TOKIO版が「大海を渡る船の乗組員」の視点だとすれば、中島みゆき版は「荒れ狂う波浪そのもの、あるいはその海を見下ろす運命の神」のような神話的スケールを帯びています。