『昼飯の流儀』勝田哲智がサイコパスと呼ばれる理由と奇妙な食行動
グルメ漫画の代名詞である『孤独のグルメ』の井之頭五郎もまた、一人で食事を楽しむ男である。しかし五郎の独白には、人間味あふれる失敗や素直な感動、街の人々に対する温かい視線が溢れている。読者は五郎の食体験に自分を重ね合わせ、ささやかな幸福感を共有する。
対照的に『昼飯の流儀』の勝田哲智には、そうした人間味の交流がほとんど見られない。食事は彼にとって、外界との調和ではなく「自己の流儀を証明するための戦場」なのだ。この共感性の排斥こそが狂気の本質であり、グルメ漫画というジャンルに「反共感型」という新たな潮流を生み出した。