自腹受験や勉強強要は違法?「資格ハラスメント」の真相と身を守る対処法
資格取得や教育訓練をめぐる労使紛争は、すでに多数の司法判断や行政指導の対象となっています。
代表的な司法判断の枠組みとして、最高裁判所の判例(三菱重工業事件など)をはじめとする「労働時間の該当性基準」が挙げられます。裁判所は一貫して、「就労を義務付けられているか、または受講しなければ著しい不利益が課される実質的な強制がある場合、それは労働時間である」との厳格な立場をとっています。会社がどれほど「本人の自主的な自己啓発」と強弁しても、参加状況が人事評価に直結していたり、業務時間外の課題提出を必須としていたりする場合、未払い賃金の支払命令が下されるのが司法の確立した見解です。
さらに、行政機関である労働基準監督署への相談件数も急増しています。労基署は「名ばかり自己啓発」による時間外労働の隠蔽を厳しく監視しており、是正勧告の対象としています。企業側にとっても、従業員に無理な資格取得を強要してメンタルヘルスの悪化や離職を招くことは、損害賠償請求や社会的信用の失墜につながる極めてハイリスクな行為です。