尊属殺重罰規定の違憲判決とは?最高裁初の違憲判断と法改正の真相
この大法廷判決の判例要旨を整理すると、以下の3つの論点に集約されます。
1. 尊属の尊重という立法目的自体は肯定
最高裁は、直系尊属(親や祖父母)を尊重し敬愛するという道義的・道徳的感情の保護自体を否定したわけではありません。尊属に対する加害行為を一般の加害行為と区別して重く評価すること自体は、立法政策の裁量範囲内であると認めました。
2. 手段の著しい不合理性(違憲理由の中核)
しかし、刑法200条が設けた法定刑(死刑・無期懲役のみ)は、いかなる減軽を行っても執行猶予を付せないほど重く、極端な差別的取り扱いであると指摘しました。目的を達成するために選択された「重罰化の度合い」が合理的な限度を遥かに超えているため違憲であると判示しました。
3. 適用された救済措置
刑法200条が無効となった結果、最高裁は被告人に普通殺人罪(刑法199条)を適用。酌量減軽を行い、懲役2年6月・執行猶予3年の判決を言い渡し、被告人は直ちに釈放されました。