尊厳死の現場を追う:命の終わりを決める権利と残された家族の葛藤

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法律による明文規定がない日本において、個人の意思を事前に示す手段として大きな役割を果たしてきたのが公益財団法人日本尊厳死協会だ。同協会は、過剰な延命治療を望まない意思を前もって記す「リビング・ウィル(事前指示書)」の普及活動を長年にわたり続けている。会員数は数万人に及び、医療現場で本人の意思が尊重されるための社会的認知を高めてきた。

医療現場の終末期医療においても、人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインが改定を重ね、患者本人の尊厳と自己決定を尊重する姿勢が強調されている。しかし、意思表示カードが存在していても、いざ救急の現場となると、家族の反対や訴訟リスクを恐れる医療機関側の判断によって、希望通りのケアが受けられないケースも少なくない。法的根拠の欠如が、医療従事者と家族双方に重い精神的負担を強い続けている。

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