ずんずん運動事故の真相と元代表の現在|乳児整体の危険性と裁判判決
2015年3月、大阪府警はNPO法人「子育て支援協会」の元理事長・姫川尚美を業務上過失致死の疑いで逮捕しました。医療資格を一切持たない民間セラピストが、自ら考案したと称する手技で死亡事故を起こしたことに対し、法廷でどのような責任が問われたのかは注目の的となりました。
公判における最大の争点は、「施術の危険性を予見できたか(予見可能性)」と「施術と死亡との因果関係」でした。弁護側は「施術は安全なマッサージであり、突然死(SIDS等)の可能性がある」として無罪を主張。しかし、法廷に立った小児科医や法医学の専門家らは、首を過度に捻転・圧迫する手技が乳児の気道を容易に閉塞させ、頸髄損傷や窒息死を招く危険性を明確に証言しました。
2017年2月、大阪地方裁判所は姫川被告に対し、懲役1年2月の実刑判決を言い渡しました。過失致死罪の多くが禁錮刑や執行猶予にとどまる日本の刑事司法において、初犯の医療類似行為事故に対して「労働を伴う刑務所収監=懲役の実刑」が下されたことは、過失の重大性と悪質性の高さを物語っています。
判決理由において裁判官は、「前年に新潟で同様の死亡事故を起こしていながら、手技の危険性を再検討することなく漫然と施術を続けた過失は極めて重い」と厳しく断罪。被告側は控訴・上告したもののいずれも棄却され、懲役1年2月の実刑判決が確定しました。