【2026年】野島埼灯台の白いベンチと登れる絶景|南房総ガイド
野島埼灯台の存在価値は、単なるビュースポットにとどまりません。日本の近代化を支えた土木遺産としての重厚な歴史が刻まれています。
慶応2年(1866年)、江戸幕府が米・英・仏・蘭の4ヶ国と締結した「改税条約(江戸条約)」に基づき、全国8箇所に建設が定められた「条約灯台」の一つが野島埼灯台です。横須賀造船所の建設を指揮したフランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーの手によって設計され、明治2年(1869年)12月に日本で2番目の洋式灯台として初点灯を果たしました。
当時のフランス製レンガ造りの初代灯台は、大正12年(1923年)の関東大震災によって無残にも倒壊しました。現在の白亜八角形コンクリート造の姿は大正14年(1925年)に再建されたものであり、激動の昭和・平成を乗り越えて国の登録有形文化財および「日本の灯台50選」に選定されています。
併設の「きらりん館」では、震災で破損した貴重な初代レンズの破片や、灯台守(とうだいもり)が家族とともに過酷な岬の生活を守り抜いた記録が展示されており、航路標識が果たしてきた安全保障上の重みを深く学ぶことができます。