Akb48「365日の紙飛行機」歌詞の意味と山本彩センター抜擢の真相
AKB48名義の楽曲でありながら、AKB48本体のメンバーではなく、大阪・難波を拠点とする姉妹グループNMB48のキャプテン・山本彩が単独センターを務めた事実は、当時のアイドル界に大きな衝撃を与えました。この抜擢には、偶然ではない必然の制作秘話が存在します。
NHK連続テレビ小説の制作統括チームは主題歌の選定にあたり、「毎朝の茶の間に爽やかな風を届けるとともに、幕末から明治を明るく泥臭く切り拓いた主人公の力強さを体現できる歌声」を求めていました。秋元康がデモ音源を聴き、歌詞のプロットを練る中で真っ先に脳裏に浮かんだのが、当時から卓越した歌唱力とギター演奏力を誇り、ストイックな努力家として知られていた山本彩でした。
当時の特番インタビューや自著で山本自身が明かしたところによると、センター決定を告げられた瞬間は「AKB48の選抜で、しかも朝ドラのセンターを自分が務めていいのか」という凄まじい重圧に襲われたといいます。しかし、レコーディング現場で秋元康から「気負わずに、自分の声の温かさをそのままぶつけてほしい」と助言を受け、飾らない等身大の歌唱に徹したことが、あの奇跡的なテイクを生み出しました。
アイドルのキラキラとした虚飾を排し、アコースティックな温もりを宿した彼女の芯のあるボーカルは、朝ドラの視聴者層であった中高年層や普段アイドルカルチャーに触れない層を一瞬で魅了しました。山本彩という歌い手が得た社会的信頼が、楽曲の説得力を何倍にも押し上げたのです。