不気味の谷とは?人間そっくりなAiやCgに恐怖する理由と最新克服例
「不気味の谷」という概念は、1970年に東京工業大学の名誉教授であるロボット工学者・森政弘氏が雑誌『Energy』に寄稿したエッセイ「不気味の谷(The Uncanny Valley)」で初めて提唱されました。森氏は、人間が人型ロボットや義肢に対して抱く親近感の推移を観察する中で、ある決定的な法則性を見出しました。
対象が人間からかけ離れた工業用ロボットアームなどの段階では、人間に似てくるほど好感度(親近感)が素直に上昇します。ぬいぐるみやアニメ調のキャラクターが愛されるのはこの領域です。ところが、外見や動作が人間に極めて近い95%程度のリアリティに到達した瞬間、親近感は垂直落下し、強烈な嫌悪感や恐怖感へと転落します。グラフを描いた際に現れるこの深いV字の窪みこそが「不気味の谷」の正体です。
森氏の原典では、さらに重要な要素として「動きの有無」が指摘されています。静止している義手よりも、不自然なタイミングで動く義手の方が谷の深さは格段に深くなります。人間そっくりの質感でありながら、まばたきの頻度や口元の筋肉の連動がわずかにズレるだけで、観察者の脳は瞬時に「異質さ」を感知し、強いアラートを鳴らします。