朝ドラ『マッサン』主題歌「麦の唄」誕生秘話と中島みゆきの真意
「麦の唄」の歌詞を紐解くと、竹鶴政孝と妻リタの生涯、そしてスコットランドの原風景が見事なまでに美しく描写されていることが分かります。
冒頭の「麦は泣き 麦は咲き 明日へ育ってゆく」というフレーズは、ウイスキーの原料である大麦のたくましさであると同時に、見知らぬ異国の地・日本で数々の差別や偏見、戦争という過酷な運命に晒されながらも凛として生きたリタの姿を重ね合わせています。
さらに歌詞中盤に登場する「遠い祖国(くに)の歌を口ずさむ」「見知らぬ友よ」という言葉は、故郷スコットランドを遠く離れ、二度と祖国の土を踏むことが叶わなかったリタの孤独と、彼女を生涯愛し支え続けた政孝の慈しみを象徴しています。中島みゆきは単なるタイアップ曲にとどまらず、二人が北海道・余市の冷涼な大地に築き上げた小さなスコットランドの奇跡を、詩的なリアリティをもって描き切りました。