ちむどんどん脚本家の真相|羽原大介の経歴と炎上した制作の裏側
『ちむどんどん』が視聴者に与え続けた強烈な不快感とモヤモヤは、現代の家族社会学や臨床心理学のフレームワークを用いることで極めて明快に説明できます。
作中で描かれた比嘉家の本質は、「心理的バウンダリー(自他の境界線)が完全に崩壊した共依存家族」そのものでした。長男の賢秀が度重なる詐欺トラブルや借金を繰り返す行動は、典型的な問題行動(アディクション)です。そして、母親の優子(仲間由紀恵)は、息子を厳しく叱責して自立を促すどころか、内職の金や土地の権利書を差し出して尻拭いをし続けます。これは心理学において、本人の立ち直りを阻害し問題を永続化させる「イネーブラー(支え手という名の共犯者)」の振る舞いそのものです。
ヒロインの暢子もまた、自立した個人として生きるのではなく、「家族だから」という大義名分のもとで他者の領域に土足で踏み込み、周囲に甘え続けます。昭和の時代であれば「家族の無条件の絆」として美談にできた構図が、個人の自立や自己責任、健全な人間関係の境界線を重視する2020年代の視聴者には「身勝手な甘えと搾取の共依存ネットワーク」にしか見えなかったのです。
【プロの結論】本作をおすすめできる人・避けるべき人の明確な判断基準
放送から年月を経た今、配信等で本作をこれから観るべきか迷っている視聴者に向けて、客観的な判断基準を提示します。
【おすすめできる人】
・「完璧な善人」ではなく、エゴや愚かさを剥き出しにして転がり続ける市井の人間模様を、冷めた観察眼で楽しみたい人。
・昭和の泥臭いアングラ演劇や、井筒和幸監督作品のような破滅的エネルギーを内包したピカレスク的群像劇を好む人。
・SNSの炎上史やメディア受容の変遷を研究する対象として、コンテンツの社会現象を俯瞰したい人。
【おすすめできない人(視聴を慎重にすべき人)】
・主人公のひたむきな努力と成長、周囲への感謝と配慮に胸を打たれる「王道で爽快なサクセスストーリー」を求めている人。
・借金やモラルの欠如をなぁなぁで済ませる家族描写に対して強いストレスや嫌悪感を抱く人。
・料理の専門技術やプロフェッショナルとしての仕事倫理を緻密に描いた本格お仕事ドラマを期待している人。