大人の歯は何本が正解?28本と32本の違いと足りない原因の真相
「大人の歯は何本あるのか」という問いに対し、歯科医師が提示する基準は明確だ。親知らずを含めない基本の永久歯の本数は28本、親知らず4本をすべて含めた歯の数は最大32本となる。つまり、28本であっても32本であっても、解剖学的にはどちらも正常な成人の歯列である。
では、なぜ人によって28本と32本という4本もの差が生じるのだろうか。最大の理由は、親知らず(第三大臼歯)の生え方に極めて大きな個人差があるためだ。親知らずは上下左右の最も奥に生える歯だが、人類の進化の歴史において食生活が柔らかいものへと移行し、顎(あご)の骨が小型化した結果、親知らずが生えるための十分なスペースが失われてきた。その結果、以下の4つのパターンに分かれることになった。
- 4本すべて正常に生え揃う(計32本):顎の骨が頑丈でスペースが確保されているケース。
- 1〜3本のみ生えてくる(計29〜31本):一部の歯胚(歯の芽)だけが成長・萌出するケース。
- 骨の中に埋まったまま生えない(完全埋伏):歯自体は存在するが歯肉や骨から出てこないケース。
- 生まれつき親知らずの芽が存在しない(計28本):退化傾向により、最初から親知らずが作られないケース。
大手歯科グループやLion歯科などの臨床医が発信する情報でも、「親知らずが1本も生えてこない成人は全く異常ではなく、むしろ現代的な顎の形態に適応した状態」と解説されている。親知らずが見当たらないからといって不安視する必要は一切ない。