ファルコンの正体とは?犬似の理由や現在の姿とリメイク真相を追う
映画を鑑賞した誰もが抱く最大の疑問が、「ファルコンは竜なのか、それとも巨大な犬なのか」という点です。劇中設定におけるファルコンの正体は、神秘の世界ファンタージェンに生息する幸運の白竜ラッキードラゴン(Luckdragon)であり、生物学的なイヌ科動物ではありません。火を吐く西洋的なドラゴンや獰猛な怪物とは根本的に異なり、大気と光、そして信じがたい「幸運」そのものを吸って生きる神聖な精霊的存在として描かれています。
それにもかかわらず、なぜあれほどまでに愛嬌あふれる犬の姿をしているのでしょうか。その答えは、映画版の監督を務めたウォルフガング・ペーターゼンと、特殊効果デザイナーのコリン・アーサーによる視覚戦略にあります。
制作陣の証言録によると、原案にあったドラゴンらしい厳格な表情では、子供たちを中心とする観客が「心から触れ合いたい」という感情移入を持ちにくいという懸念がありました。そこで採用されたのが、人間にとって最も忠実で愛すべきパートナーである犬のエッセンスです。ファルコンのモデル犬種として特に参考にされたのは、垂れ下がった耳と穏やかな瞳を持つゴールデン・レトリバーやイングリッシュ・コッカー・スパニエルの顔立ちでした。
映画で実際に使われたファルコンは、当時の映画特撮技術の限界に挑んだ巨大アニマトロニクスです。全長約13~15メートル、重量は1トン以上に達し、骨格には航空機用スチールと木材が使用されました。体表は約6,000枚以上におよぶ樹脂製の鱗と、手作業で縫い付けられた大量のアンゴラヤギの純白の毛皮で覆われていました。頭部だけでも16本以上のサーボモーターと油圧ケーブルが組み込まれ、複数人の操縦士が遠隔操作することで、耳のパタパタとした動き、口元の微笑み、ウインクといった「甘える犬そのもの」の表情をリアルタイムで具現化したのです。