カンガルーケアとは?実は危険?効果の真相と事故を防ぐ正しいやり方
カンガルーケア(Kangaroo Mother Care: KMC)とは、親の素肌の胸の上に、裸(おむつ一枚)の赤ちゃんを直接うつ伏せに乗せて抱っこするスキンシップを指します。カンガルーがお腹の育児嚢(袋)で未熟な赤ちゃんを育てる様子に似ていることから名付けられました。
そのルーツは1970年代後半の南米コロンビアにあります。当時、保育器が圧倒的に不足していたボゴタの病院で、早産児や低出生体重児の命を救うための代替医療として考案されたのが始まりです。母親の体温で赤ちゃんを温め、直接母乳を与えるこの手法は、赤ちゃんの死亡率を劇的に低下させたことから、世界保健機関(WHO)を通じて世界中の医療現場へと広まりました。
日本国内では、主に次の2つの文脈で用いられています。
- NICUでのカンガルーケア:早産児や低出生体重児の発育促進、親子の愛着形成を目的として、全身状態が安定した段階で計画的に行う医療ケア。
- 分娩直後の早期母子接触(Early Skin-to-Skin Contact):正常分娩で生まれた正期産児に対し、出産直後の分娩台で母親の胸に抱かせる触れ合い。
国内の一般メディアではこれらを総称して「カンガルーケア」と呼ぶケースが多いものの、実施される環境や赤ちゃんの状態によって留意すべき安全管理のレベルは異なります。