舌の正しい位置はどこ?二重あご・歯並び悪化を招く「低位舌」の衝撃真相
SNSや動画プラットフォームを中心に世界的なトレンドとなった「ミューイング(Mewing)」。イギリスの矯正歯科医マイク・ミュー氏が提唱した「舌全体を上あごに押し当てることで顔の輪郭を整える」というメソッドは、日本国内でも「整形なしで顎ラインが激変する」として爆発的な拡散を見せました。しかし、情報が一人歩きした結果、深刻な健康被害を訴えるケースが臨床現場で急増しています。
ネット上で流布している最大の誤解は、「強い力で上あごを力任せに押し上げれば、大人の頭蓋骨でも変形して小顔になる」という極端な言説です。成長期にある10代前半であれば骨縫合が柔軟なため一定の骨格誘導が期待できるものの、骨格が完全に完成している成人が過度な力で舌を上あごに押し付け続けた場合、骨が都合よく動くことはありません。
実際、矯正歯科の学会や臨床医からは、「強い力で舌を押し付けすぎた結果、顎関節症を発症して口が開かなくなった」「奥歯を強く噛み締めすぎて歯根破折や激しい偏頭痛を引き起こした」という被害相談が報告されています。ミューイングや舌トレーニングの本質は「強い力で骨を押すこと」ではなく、「脱力した状態で舌全体が上あごに吸い付いている真空状態(陰圧)を無意識に維持すること」にあります。筋力トレーニングと力み(食いしばり)を混同することは、極めてハイリスクな行為だと認識しなければなりません。