九州電力送配電の全貌を徹底解剖!九電との違いや停電対応・出力制御の真相
日本の電力市場は、2020年4月の電気事業法改正に伴う「発送電分離」によって大きく形を変えました。九州電力グループも同様に再編され、発電・小売事業を担う「九州電力株式会社」と、送電線や変電所、配電設備を運用・保守する「九州電力送配電株式会社」に分社化されました。
この分離の主目的は、送配電網の中立性確保です。自社系列の小売部門だけでなく、新電力を含めたすべての小売電気事業者に対して公平・中立に送配電ネットワークを提供することが法律で義務付けられています。そのため、消費者がどの新電力会社と契約していても、自宅まで電気を物理的に届けているのは九州電力送配電のネットワークです。
日常生活で発生する手続きにおいても明確な線引きが存在します。例えば、敷地内にある電柱の移設相談や電柱敷地料の名義変更、電線の断線やカラスの営巣といった設備トラブルは、各地域の配電事業所を統括する九州電力送配電が管轄しています。一方で、電気料金プランの変更や毎月の支払い先に関する問い合わせは、契約している小売電気事業者(九電本体や各新電力)の窓口となります。
また、電気料金の明細に含まれる託送料金は、九州電力送配電が送配電網を維持管理するための費用(送電網の利用料)として、小売事業者を通じて消費者が負担しているものです。2023年4月からは送配電網の強靭化と再エネ導入拡大の投資を両立させる「レベニューキャップ制度」が導入され、中長期的な設備投資計画に基づいた厳格なコスト査定が行われています。