日暮里の匂いはなぜ?異臭騒ぎの真相と現地調査で迫る異変の正体

日暮里の匂いはなぜ?異臭騒ぎの真相と現地調査で迫る異変の正体についての真相をお届けします。

ネット上の掲示板や地域コミュニティにおいて、異臭の元凶として頻繁に槍玉に挙げられるのが、日暮里駅から東へ約1.2キロメートルに位置する「東京都下水道局 三河島水再生センター」の存在です。1922年(大正11年)に日本最初の近代下水処理場として稼働を開始した歴史的施設(旧三河島汚水処分場喞筒場施設は国の重要文化財)であることから、「あそこから臭いが流れてきているのではないか」という疑念が根強く囁かれてきました。

しかし、荒川区の都市環境担当部署および下水道局の設備管理データを確認すると、近代化された現代の同センターは、沈殿池や水処理施設の大部分に密閉覆蓋(カバー)が施され、高濃度の活性炭脱臭設備および薬液洗浄装置が24時間体制で稼働しています。敷地境界線における悪臭防止法に基づく臭気測定値は極めて厳格にコントロールされており、日常的に1キロ以上離れた日暮里駅前まで高濃度の悪臭を到達させることは物理的に考えにくいのが実情です。

ただし、例外的な気象条件下では影響がゼロとは言い切れません。荒川区周辺で「異臭ニュース」として取り上げられるような大気現象が起きる際、気象条件には共通項が存在します。東京湾方面から北東寄りの緩やかな風(風速1〜2m/s程度)が吹き、かつ低気圧が接近して気圧が低下した夜間から早朝にかけて、施設周辺のごくわずかな排気残香や周辺中継ポンプ場の臭気が地表すれすれを西へ漂うケースが推計されています。つまり、三河島水再生センターが日常的に街を汚染しているわけではなく、「特異な気象条件下における一時的な気流のイタズラ」が都市伝説を増幅させたといえます。

関連記事