山本文緒の知られざる創作秘話 代表作の深層と最新映像化の真相
吉川英治文学新人賞を受賞した『恋愛中毒』は、激しい恋に溺れ、自律を失っていく女性の痛々しいほどの情念を鮮烈に浮き彫りにした傑作だ。従来の甘い恋愛小説の枠組みを根底から覆し、人間の業や執着を泥臭く描く手法は、当時の読書界に強い衝撃を与えた。
続いて第124回直木賞を獲得した『プラナリア』では、無職や病気、生きづらさを抱える若者たちの感情の機微を見事に捉えた。日本文学振興会が選出する同賞の受賞により、名実ともに日本文学を代表する作家としての地位を確立。文藝春秋から刊行されたこれらの書籍は、平成から令和へと至る時代の空気感を色濃く反映している。